不陸調整とは、既存の土間コンクリートに生じた凹凸や高低差を補修し、新たな仕上げ材を施工できる状態、またはコンクリートの素地として使用しやすいフラットな床面へ整える工事です。

テナントビル・倉庫・工場・商業施設などでは、退去時の原状回復工事や改修工事で床材を撤去した後、土間コンクリートの表面に凹凸や段差が残ることがあります。そのままでは、塗床・長尺シート・タイルなどの仕上げ材を施工しにくく、台車や設備の移動、次のテナント利用にも影響する場合があります。

施工前のコンクリート床
土間コンクリートの凹凸は、現場の状態に応じて、セルフレベリング・モルタル・研磨などの工法で補修します。特に、広い範囲に細かな凹凸や不陸がある場合は、セルフレベリング材を用いて床面をフラットに整え、次の仕上げに適した下地を構築する方法が有効です。
フロアエージェントは、セルフレベリング工事をはじめ、土間コンクリートの不陸調整に対応する施工会社です。元請会社様、設計会社様、不動産管理会社様、建物オーナー様からのご相談に対し、床材撤去後の下地状態、施工範囲、搬入条件、仕上げ後の用途を確認したうえで、部分的な補修から大面積の床レベル調整まで、現場に適した不陸調整工事を計画します。
特に、物流倉庫・工場・商業施設・テナントビルなどの改修工事では、材料の選定だけでなく、搬入条件、施工動線、工期までを見据えた計画が必要です。
本記事では、既存建物の床改修や原状回復工事で発生する土間コンクリートの凸凹を平らにする方法と、セルフレベリングを含む不陸調整の工法選定について、施工会社の視点から解説します。
土間コンクリートの凸凹を平らにする方法

土間コンクリートの凸凹を平らにするには、床面の状態に合わせて「削る」「補う」「床全体を整える」のいずれか、または複数の工法を組み合わせて調整します。
見た目には同じような凸凹に見えても、不陸の深さや範囲、既存コンクリート床の状態、次に施工する床材や使用目的によって、適した工法は異なります。そのため、不陸調整では、材料名だけで判断するのではなく、現場の状態に合わせて補修方法を見極めることが重要です。
不陸調整の選択肢
土間コンクリートの不陸調整では、下記のような工法がよく用いられます。
まずは、それぞれの工法が向いている状態と特徴を確認しておきましょう。
| 工法 | 向いている状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| モルタル | 部分的な段差や厚みが必要な箇所 | 凹みや高低差を補いやすい |
| セルフレベリング | 広範囲の微細な不陸や下地調整 | 大面積を平滑に整えやすい |
| 研磨工事 | 高い部分や表面の凹凸 | 床の高さを大きく変えずに調整しやすい |
- モルタル
- モルタルは、コンクリート床の凹みや段差を部分的に補い、必要な厚みを確保しながら床面を調整する方法です。
床材撤去後に下地の一部が荒れている場合や、既存床に欠損・凹部・局所的な高低差がある場合に用いられます。特に、部分的な段差が大きく、ある程度の厚みを持たせて床面を調整したい場合には、モルタルによる不陸調整が有効です。
ただし、施工範囲が広い場合や、床全体に細かな不陸が広がっている場合は、モルタルだけで調整するよりも、セルフレベリング材や研磨工事と組み合わせて検討することがあります。既存コンクリート床の状態、必要な厚み、仕上げ後の使い方を確認したうえで、適した工法を選定することが重要です。
- セルフレベリング
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セルフレベリングは、流動性のある材料を床面に流し込み、広い範囲を平滑に整える不陸調整方法です。
床全体に細かな凹凸や不陸が広がっている場合や、塗床・長尺シート・タイルなどの仕上げ材を施工する前に、下地を均一に整えたい場合に用いられます。特に、物流倉庫・工場・大型施設など、大面積のコンクリート床を効率よく調整したい場合に適しています。
セルフレベリング材は、自己流動性によって床面に広がり、施工範囲をまとめて平滑に近づけられる点が特徴です。施工後は、仕上げ材を施工しやすい下地に整えたり、既存コンクリート床を活用しやすい状態に近づけたりすることができます。
セルフレベリング材には複数の種類があり、材料によって適した厚み、強度、乾燥時間、仕上がり、使用できる現場条件が異なります。フロアエージェントでは、自社で扱う材料を含め、下地の状態、施工面積、使用条件に合わせて材料を選定し、現場に適した施工方法をご提案しています。
ここでは、代表的なセルフレベリング材として、フィットレベラー・FAパワーレベラー・タフレベラーをご紹介します。

フィットレベラー
床面の微細な凹凸や軽度の不陸を、薄く平滑に整えたい場合に適したセルフレベリング材です。仕上げ材を施工する前の下地調整や、床面を均一に整えたい現場に適しています。

FAパワーレベラー
既存コンクリート床の不陸調整や下地調整に使用する材料です。床面の凹凸を平滑に整え、倉庫や工場など、素地で使用する床に適しています。

タフレベラー
コンクリート床の凹凸や段差を調整し、強度や耐久性も考慮した床面づくりに使用するセルフレベリング材です。施工面積や床の使用条件、不陸の程度に応じて選定します。
モルタルとセルフレベリングの使い分けについては、下記の記事で詳しく解説しています。
▶ 水平モルタルとセルフレベリング材ではどちらが仕上げ調整材として有効?それぞれの特徴を解説
- 研磨工事
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研磨工事は、コンクリート床の表面を削り、高くなっている部分や細かな凹凸を整える不陸調整方法です。
モルタルやセルフレベリング材のように新たな材料を重ねるのではなく、既存のコンクリート床を研磨して調整するため、床の高さを大きく変えずに床面を整えたい場合に向いています。既存床を素地のまま活用したい場合や、塗床・長尺シート・タイルなどを施工する前の下地処理として行う場合にも有効です。
研磨を行うことで、表面の凸部や細かな不陸を抑え、次工程に進みやすい床面に近づけることができます。ただし、深い凹みや大きな段差がある場合は、研磨だけでは十分に調整できないことがあります。そのため、床面の状態や仕上げ方法に応じて、モルタルやセルフレベリング材との組み合わせも含めて工法を選定することが重要です。
小規模工事と大規模工事で異なる不陸調整
不陸調整は、施工範囲の大きさによって進め方が変わります。部分的な凹みや段差を整える小規模工事と、物流倉庫・工場・大型施設などの広い床面を調整する大規模工事では、必要な材料、施工方法、作業体制が異なります。
特に大面積のコンクリート床では、材料をどのように供給するか、どの範囲から施工するか、作業動線をどう確保するかによって、仕上がりや工期に影響が出ます。
フロアエージェントでは、現場の規模や床面の状態に合わせて、小規模な補修を伴う不陸調整から、大面積の床レベル調整まで対応しています。
小規模工事の不陸調整


小規模工事の不陸調整は、部分的な凹みや段差、床材撤去後の一部の下地荒れなど、限られた範囲を整える場合に行います。
施工範囲が小さい場合は、手作業での補修やモルタルによる調整、必要に応じた研磨などで対応できることがあります。ただし、見た目には小さな不陸でも、下地の状態や施工後の仕上げ方法によって適した工法は変わります。
そのため、小規模な不陸調整であっても、既存コンクリート床の状態、必要な厚み、仕上げ材との相性を確認したうえで施工方法を判断することが大切です。
大規模工事の不陸調整
不陸調整セルフレベリング
数千㎡規模の大規模な不陸調整では、材料を流すだけでなく、材料供給、施工範囲、作業動線、施工スピードまで含めた計画が重要になります。
セルフレベリング材は、大面積のコンクリート床をまとめて平滑に整えたい場合に有効な工法です。物流倉庫・工場・大型施設などでは、床面全体に細かな不陸が広がっていることもあり、手作業だけで均一に整えるには限界があります。

ローリー車によるセルフレベリング材の供給状況

ポンプを使用したセルフレベリング材の施工状況
- 上の写真は、フロアエージェントが実際に大規模工事でセルフレベリングによる不陸調整を行ったときの様子です。大規模な不陸調整では、施工面積や搬入条件に合わせて、ローリー車やポンプなどの供給方法を使い分けます。
ローリー車を使用できる現場では、大量のセルフレベリング材を連続して供給しやすく、搬入経路が限られる現場では、専用ポンプを用いて必要な範囲へ材料を送り込みます。このように材料供給の方法を事前に計画することで、広い床面でも作業の流れを組み立てやすくなります。

こちらの写真は、ローリー車が入り込めない大規模工事現場で使用したセルフレベリング材です。施工範囲が広い場合、この量の材料を人力だけで運び込むのは現実的ではありません。大規模な不陸調整では、材料の保管場所や搬入経路も含めて、事前の段取りが必要です。

ローリー車が近くまで入れない現場では、セルフレベリング材専用のポンプを使用するため、写真のように材料を混練し、圧送できる状態に整えます。ポンプを使用することで、奥まった場所や搬入経路が限られる場所でも、必要な範囲へ材料を届けることができます。

ポンプを使用することで、材料を運び込みにくい場所でも施工範囲へ届けやすくなります。大面積の床を連続して施工する場合は、材料の流れを止めにくい段取りが、作業効率や仕上がりの安定につながります。

材料を流し込んだ後は、写真のように床面全体へ均していきます。セルフレベリング材の流動性を活かしながら施工範囲を均一に整えることで、仕上げ材を施工しやすい下地や、既存コンクリート床を活用しやすい状態に近づけることができます。
不陸調整研磨工事
不陸調整研磨工事は、コンクリート床の表面を研磨し、高くなっている部分や細かな凹凸を削って整える施工です。
セルフレベリング材やモルタルのように新たな材料を重ねるのではなく、既存のコンクリート床を活かしながら調整できるため、床の高さを大きく変えたくない場合や、素地のまま使用したい場合に適しています。
また、塗床・長尺シート・タイルなどの仕上げ材を施工する前に、既存床の表面を整える下地処理として研磨を行うこともあります。表面の凸部や細かな不陸を抑えることで、次工程に進みやすい床面に近づけることができます。
研磨による不陸調整は、下記のような流れで進めます。
- 床面の状態を確認する
まず、コンクリート床の状態を確認し、研磨が必要な範囲や不陸の程度を判断します。 - 研磨機で凸部や表面の凹凸を削る
研磨機を使用して、高くなっている箇所や表面の細かな凹凸を削り、床面を平滑な状態に近づけていきます。 - 清掃・仕上がり確認を行う
研磨後は、粉じんや削りかすを清掃し、床面の状態や仕上がりを確認します。
ただし、深い凹みや大きな段差がある場合は、研磨だけでは十分に調整できないことがあります。そのため、床面の状態や仕上げ方法に応じて、モルタルやセルフレベリング材との組み合わせも含めて工法を選定することが重要です。
フロアエージェントは大規模工事の不陸調整に強みがあります
不陸調整は、床面の凸凹を単に埋めたり削ったりするだけの工事ではありません。既存コンクリート床の状態、施工範囲、必要な厚み、搬入条件、仕上げ後の使い方によって、適した材料や施工方法が変わります。
特に物流倉庫・工場・大型施設などの大面積床では、材料の選定だけでなく、材料供給、作業動線、施工手順、工期まで含めた計画が重要です。施工範囲が広くなるほど、事前の段取りが仕上がりや作業効率に関わります。
フロアエージェントには、大規模な土間コンクリート工事に対応してきた実績と、床面の状態や搬入条件に合わせて施工を組み立てるノウハウがあります。
土間コンクリート工事を専門に手がける施工会社として、モルタル・セルフレベリング・研磨工事などを現場の状態に合わせて検討し、用途に応じた不陸調整方法をご提案しています。
床材撤去後の下地荒れ、既存コンクリート床の凹凸、仕上げ材施工前の床面調整、大面積床のレベル調整などでお困りの場合は、床面の状態や施工範囲をご相談ください。現場条件を確認したうえで、使用目的に合った不陸調整工事をご提案いたします。





