新設されたコンクリートに生じるひび割れにお悩みのお客様は少なくありません。コンクリートのクラックには様々な原因が考えられますが、新設の場合、養生に関する施工不良の可能性があります。
コンクリートは打設後の間もない期間に、硬化に必要な水分が不足すると、乾燥収縮が起こります。これが、新設コンクリートにクラックが生じるメカニズムの一つです。
乾燥収縮で生じたクラックは、美観を著しく損ねる原因です。場合によっては“やり直し”を求められることがあります。そこで、フロアエージェントでは、平滑で強固なコンクリートに仕上げるため、アルカリ電解水を養生に使用しています。
今回は、養生の役割や選択肢を解説したうえで、アルカリ電解水を用いた養生という独自の工夫をご紹介します。
コンクリートの養生とは?
コンクリートの養生とは、簡単に言えばフレッシュコンクリートが硬化するまで待機する工程のことです。専門的に解説すると、フレッシュコンクリートの硬化現象は、水和反応と呼ばれる化学変化の一種が引き起こしています。
一般的に、養生期間は3〜12日程度を確保することが多いとされており、夏場は3日程度で完了する一方で、冬場は1週間前後かかるケースが少なくありません。
コンクリートの水和反応とは?
コンクリートの水和反応では、コンクリートに含まれるセメントが水と合わさることで化学変化を起こしていきます。分子の結合にともなう化学反応熱が生じるため、コンクリートの水分が失われやすくなります。
セメントに含まれる石灰や石膏など多様な物質が、それぞれ凝結から硬化という2段階のプロセスを経るという化学反応がコンクリートの水和反応の正体です。その複雑なメカニズムには未解明の部分が数多く残されているため、コンクリート施工の専門会社に蓄積された“現場の知恵”が欠かないというわけです。
コンクリートの養生方法のバリエーションについて
コンクリートの養生方法には様々なバリエーションがありますが、基本となるのは2つです。選択される機会が多く、安定した実績により信頼性が高いとされています。
散水養生
「散水養生」とは、水和反応に必要な水分を散水によって補いながら進める養生方法です。フレッシュコンクリートの表層の硬化が進み始めた段階で行います。「水をかければなんでもいい」という単純な話ではなく、打設範囲全体にムラなく水分を行き渡らせる必要があります。そのため、人力散水よりも、スプリンクラーを用いた断続的な自動散水のほうが効果的とされています。
湿潤養生
シンプルな散水養生は工期を抑えられる一方で、極端な気温では使えない方法とされています。氷点下では凍結が起きてしまうほか、炎天下では散水が追いつかない可能性があります。
そこで、極端な気温の施工環境では、散水したのちフレッシュコンクリートの表面をシートで覆う「湿潤養生」という方法が有効です。用いられるシートは、水気を漏らさない(水密性)という特性があります。そのため、冷たい外気による凍結や、水気の蒸発による乾燥を防げるというわけです。「被膜養生」「湿布養生」など、その他の呼び名もあります。
ただ、散水シートがゆっくりと吸水するため、1日に1回以上の散水など、湿潤養生は施工会社の丁寧さが問われる作業です。湿潤養生の手入れを怠ると、逆効果になるので注意が必要です。
アルカリ電解水を散水養生・湿潤養生に使用すればコンクリートがより強固に
フロアエージェントは散水養生や湿潤養生に用いる素材を工夫することで、養生の信頼性を高めてきました。例えば、散水は水道水が使われることが一般的ですが、フロアエージェントはアルカリ電解水を使っています。
アルカリ電解水とは、通電することでアルカリ性の性質を帯びた水のことで、家庭では油汚れの洗浄などに使われている身近な素材です。フロアエージェントはPh値が8〜10のアルカリ電解水を養生に使用しています。
アルカリ電解水を養生に使用すると、硬化時の初期収縮によるクラックが減少することを確認できました。また、経年劣化によりコンクリート表面に白い汚れが浮き出る「白華現象」も抑制することが可能です。
アルカリ電解水によるコンクリートのスペック向上は、メカニズムに未解明の部分が残されていますが、一説によるとセメントは本来アルカリ性のため、アルカリ電解水を用いると水和反応が促進されている可能性や、内部のアルカリ性が構造が緻密になっている可能性など、様々な理由が報告されています。
業界の先駆けとして新工法・新素材のノウハウを蓄積
コンクリートの養生は、散水養生や湿潤養生など代表的な方法があるものの、具体的な作業内容は会社ごとに違いが出やすいポイントです。フロアエージェントには新工法や新素材を積極的に取り入れてきた歴史があるため、独自のノウハウがお客様から頼りにされてきました。養生についても、業界でも先駆けとなる事例を蓄積しています。
新設コンクリートのクラックは「予防できない」というのは古い常識です。工夫次第で改善可能です。コンクリート工事のお悩みは、コンクリート工事専門会社のフロアエージェントにご相談ください。