物流倉庫や工場などのコンクリート床工事を行なっている際に現場担当者の方から「コンクリートカッターによる誘発目地を入れるタイミングは硬化後がいいのか」というご質問を受けることが度々あります。
誘発目地を入れるタイミングは業者によって異なりますので、今回は弊社の考え方について
お伝えしたいと思います。
コンクリートは28日間かけて硬化する
そもそもコンクリート床は打設後から28日間程度かけて硬化していきます。
そのため設計上のコンクリート強度は、コンクリートの打設後4週間経過した頃にでるであろう強度(4週強度)が構造設計の基礎になっています。
硬化するまでの柔らかく形を変えやすい状態のコンクリートは、水分蒸発によって表面の体積が減少するのに対し、内部の体積は変わらないため表面が収縮しようとします。
その際に発生するのが初期クラックです。
冒頭の現場担当者さんからのご質問の意図は、「コンクリートの硬化前に誘発目地を入れておくことで初期クラックは抑制できるのか」ということになります。
結論からいうと、その通りだと弊社では考えております。
コンクリートの硬化後に誘発目地を入れるのではなく、コンクリート打設後2日以内に誘発目地を入れ、初期クラックを抑制する工法を採用しております。
コンクリート打設後2日以内に素早く誘発目地を入れる
そもそも誘発目地は、コンクリートのクラック(ひび割れ)を抑制するためのものですが、誘発目地を入れる前にひびが入っていては本末転倒ですよね。
コンクリート打設後2日間は、まだ表面の乾燥も進んでおらず柔らかい状態なので、クラックも発生していません。
硬化が進んでいないそのタインングで誘発目地を入れることで初期クラックを防ぐことができるのです。これをソフカット工法といいます。
2日以内に誘発目地を入れるリスク
従来の乾式カッターはコンクリートを切るのが目的で、美観の観点が不足している側面がありました。打設後1〜2日で誘発目地を入れると割れや欠けが出てしまい目地の美観が非常に悪くなってしまうのが課題でした。
弊社が採用するソフカット機は、金具でしっかり固定した上でアッパーカットを行っていくため切断面に欠けや割れを生まない仕様となっております。
この機械を導入することで初期クラックを抑制しつつも、美観を保てるコンクリートカッター工事を確立することができました。
また、誘発目地の欠けや割れを防ぐ手段として、目地にシールを充填する手法もありますので併せてご検討ください。
初期クラックに頭を悩ませている企業様はご相談ください。
コンクリート床の初期クラックは打設後の処理次第では防ぐことが可能です。
美観の観点はもちろん安全性や不動産価値の観点からも初期クラックを抑制することはとても重要です。
また、物流倉庫を中心に広がりを見せるAGV(無人搬送車)はひび割れのひどい現場では導入ができないケースもございます。
初期クラックのないコンクリート床をご要望の企業様は是非フロアエージェントまでご相談ください。